博士は重大なる言明をした。 「あれは海底地震ではないというのですか、すると何ですか、あの異常震の正体は……」

「ワーナー博士、海底地震はやっぱり起こっていますか」 とホーテンスが尋ねた[#「尋ねた」は底本では「訪ねた」]。「さっき一回感じたが、計器をここへ据付けてからはまだ一度も起こらないね」 そういっているとき、博士は急に身体を強《こわ》ばらせた。そして手をあげて助手を呼び寄せた。五分ばかり経った後、博士は元のゆるやかな姿勢に戻った。「どうしました、ワーナー博士」 ホーテンスが声をかけた。「おお、今しがた待望の海底地震があったよ、その波形を初めて正確に見ることが出来た」博士はここでちょっとの間言葉を停め「とにかくわれわれがこれまで海底地震と呼んで来たものは本当は地震ではなかったのだと思う、そういう結論に達した」 博士は重大なる言明をした。「あれは海底地震ではないというのですか、すると何ですか、あの異常震の正体は……」「ホーテンス君。その正体をこれから調べにかかるのだよ……全員集合」 と博士は一同を呼び集めた。「ここで隊を二つに分ける。三名は、装置と共にここに残留し、残りの七名はこれから前進して振動源に近接する。いよいよ注意を要する作業の始まりだ」 博士はその人選をした。それから博士は、今しがた判明した震動源の方向を説明し、七名の者は左右二団に分れてその方向へ進発することとなった。 ホーテンスと水戸記者は、右隊と左隊とに分れた。ホーテンスは、ワーナー博士とオーキー学士と一人の護衛の組に入った。水戸記者の方は二人の学士と共に左隊に入った。 両隊は互いに二十メートルの間隔を保ちながら、定められた方向に前進していった。 水戸記者もようやく潜水服に慣れ、前屈みになって歩くのが楽であることも知った。ゆるやかな海底の起伏を上がったり下がったりして行くうちに、三十分ほど時間が経ち、そこで小休止となった。水戸は、潜水服の中に温めてあった牛乳と甘いコーヒーを、ゴム管で吸った。

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